工務店とは?ハウスメーカーの違いや選ぶときのポイントは?10

まとめ:イメージと予算がポイント

失敗しない、満足のいく注文住宅を建てるには、「どんな家を建てたいか」というイメージをしっかり伝えることと予算をきちんと決めておくことがポイントです。

●建てたい家のイメージは細部まで

ある営業担当者によると、注文住宅の依頼者の多くは「温もりのある家」「家族がいつも集まれる部屋」「北欧風の家」など大雑把なイメージは持っているものの「扉のデザインは?」「床の色は?」「間取りは?」などと細かくヒアリングしていくと、途端に言葉に詰まることが多いそうです。

「モダン」「和風」「南欧風」などキーワードは出てきても、それを細かく具体化できていないのです。

できれば、カタログや雑誌、HPなどから自分のイメージに近いものをリストアップしておきましょう。

またヒアリングでは、デザインの好みだけでなく、家族構成や生活スタイルを知ることが重要なのだそうです。

デザインだけでなく「太陽光発電を取り入れたい」「高齢者がいるのでバリアフリー」「スマートハウスにしたい」「庭と家を自由に行き来できるペット専用の出入り口が欲しい」など、機能面での希望もなるべく具体的にメモしておきましょう。

リストアップしたら、絶対に譲れないもの、できればかなえたいものといった優先順位をつけておきます。

ちなみに、希望は細かくと書きましたが、これはたくさん希望がある場合はということです。二世帯住宅を建てたいなど、目的が1つしかないならそれでかまいません。

●工務店とハウスメーカーに優劣はない

工務店とハウスメーカー、どちらのほうがおすすめといったことはありません。お気づきのように、工務店の強みはハウスメーカーの課題、工務店の課題はハウスメーカーの強みになっています。

比較する項目には、営業エリアのサイズ、設計の自由度、価格設定、品質や会社の安定度、ブランド力などが挙げられます。

どんな家を建てたいのか、あなたのこだわり部分がどこかがポイント。そこが決まれば、工務店のほうが向いているか、ハウスメーカーのほうがいいのかは答えが出るはずです。

●口コミ、HP、展示場の情報はあくまで参考

むしろ頭を悩ませるのは、どの業者を選ぶかではないでしょうか。

工務店にしてもハウスメーカーにしても多数あり、選ぶのは難しいものです。どんな工法やデザインが得意なのか、アフターフォロー体制は整っているかなどを調べるために口コミやHPでの施工例、住宅展示場やモデルハウスなどが貴重な情報源になりますが、それに流されなすぎず、参考程度にとどめておきましょう。

住宅展示場に行ったら、営業担当者と意気投合して契約してしまった…という体験談を聞くことがあります。担当者との相性は大事なことですが、1つや2つの要素だけですぐに業者を決めてはいけません。

ほとんどの人が注文住宅を建てるのは初めてのことで戸惑うもの。そのため、ついプロの言葉や知人のアドバイスに従いがちですが、何十年もこれから過ごしていく大切な我が家づくりを任せるのですから、慎重に選びましょう。

●予算は目安だが、大幅オーバーに注意

業社選びの際、予算と希望の概要を伝えて見積を取ります。見積価格は目安です。ほとんどの場合、見積よりも価格は上乗せされますから、その分は想定しておきましょう。

注文住宅というと高価なイメージですが、デザインや工法など、工夫を凝らすことで、ある程度価格を抑えることは可能です。予算を大幅にオーバーしないための努力は必要です。

すべての希望を盛り込むと予算を大幅にオーバーします。「せっかく建てるのだから、少々無理しても…」と思ってしまいがちですが、譲れない希望だけを残し、優先順位の低いものは代案で満足するか、時にはあきらめるといった冷静な判断を心がけましょう。

●注文住宅を建てるにはお金も時間もかかる

夢のマイホーム建設には、お金だけでなく多くの時間を割かなくてはいけません。

先に紹介したように、どんな家を建てたいのかを考えるための情報収集もそうですが、打ち合わせや修正相談、融資の相談、家を建てるための諸手続きなど、時間を取られることが多くなります。

また依頼してから完成までには1年くらいは必要です。

家づくりにかかる時間を「面倒だな」と思うのではなく、「どんな風になるのかワクワクする」と楽しめる、心のゆとりが一番大切かもしれません。

監修:すまいポート21埼玉

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ハウスメーカー④:ハウスメーカーに依頼する時の注意点

注文住宅をハウスメーカーに依頼した場合、どのようなリスクがあり、どんなことに気をつければよいのでしょうか。

●設計の自由度は工務店よりは低い

注文住宅は、こだわりを実現させることができる夢の家ですが、工務店に比べると、ハウスメーカーは、設計の自由度という点では制限があります。

ハウスメーカーは、自社で定めた工事の手順や建築資材を使い、基本的な設計プランをベースに、お客様の要望をカスタマイズしていきます。

ハウスメーカーの中には、工務店と同じくらい自由な設計が可能な部門を設置しているところもあるようですが、そこに依頼すると、価格が跳ね上がったり、工期が長くなるなどのデメリットが生じる可能性があります。

●希望が伝わりにくい可能性も…

大手企業ゆえの注意点としては、ハウスメーカーでは、営業、設計、工務の担当者が部署別に分かれていて、分担して仕事を進めていることです。またハウスメーカー側の工務担当者は、実際に工事をする人ではなく、工事の管理を行う人です。ご存じのように、現場での工事は工務店が担っています。

実際にお客さんの希望をヒアリングし、工事内容を細かく詰めていくのは営業担当者ですが、営業担当者と設計担当者とのコミュニケーションがうまくいかないと、こちらの要望がきちんと伝わっていないこともあります。ここが、小規模の工務店とは違うところです。

もっとも設計プランの相談時には、営業担当者だけでなく設計担当者が同席する場合もあるので、どういう進め方をするのかは事前に確認しておきましょう。

また、こちらの希望通りに設計してくれたけれど、曲線の角度など、現場において微妙な修正がされていたといったケースもあるようです。

●予算オーバーしがち

価格で比べると、同じような仕様なら、ハウスメーカーよりも工務店に依頼したほうが安いと言われています。これは、ハウスメーカーでは広告費や営業担当者の人件費など、工務店よりもコストが多くかかるためです。そのことは承知していたとしても、予算オーバーの幅が想定よりも高かったという話を聞くことがあります。

ハウスメーカーは、注文住宅でありながら、建築資材を一括し、規格を統一することで、コストと工事の効率化を行っています。つまり、ハウスメーカーの見積は、一般的な規格品を通常の工法で使うことを前提に出されたものです。

そのため、こちらの希望で、たとえば床材を別の資材に変えるなど指定品以外のものにすると、大幅に価格が上がってしまうことがあります。

ちなみに、ハウスメーカーに依頼すると、住宅ローンの審査が通りやすいと言われていますが、そのメリットが思わぬ結果を招くこともあります。

住宅ローンの審査が通ったためにオプションを多用し、当初の予算よりもかなり高い金額になってしまったという例です。

せっかくなら、これもあれも付けたい。もっといい家にしたい。とは誰もが思うところ。しかし、予算とのバランスを考えて、あきらめる部分も出てきます。ところがローンが組めてしまったことで、背伸びをした家づくりになったというわけです。

●土地によってコスパが悪くなる

土地が非常に狭く、一般的な家の形に建てられない、現場の前の道路が狭かったり高低差があったりして建設資材の運び込みが難しい、隣の住宅と密集しているため、邪魔にならないように複雑な設計にしなければならないなど、工事が難航しそうな土地に建てる場合、建築コストがかなり上がる可能性があります。

なぜならハウスメーカーのメリットは、統一規格品の使用と工事のシステム化にあるからです。

そのため前述のような土地の場合、ハウスメーカーならでのメリットが十分に生かされず、規格外の建設資材への変更や手間が増え、コストパフォーマンスが悪くなるのです。

●工務店任せの可能性も…

ハウスメーカーに依頼しても、実際に現場で工事を行うのは提携している工務店です。ハウスメーカーは設計通りにきちんと工事が行われいるかを監理しなければならないのですが、実際には工務店にお任せというケースがほとんどです。

建築資材はハウスメーカーが供給し、工法もシステム化されているので、品質のバラツキが起こるリスクは少ないのですが、ハウスメーカーに依頼したから100%安心ではないことを覚えておいてください。

監修:すまいポート21埼玉

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ハウスメーカー③:ハウスメーカーの賢い選び方とは

注文住宅をハウスメーカーに依頼しようと決めたら、次に決めなくてはならないのは、どのハウスメーカーに依頼するかです。知っておきたいポイントをご紹介します。

●ブランド名だけで選ばない

ハウスメーカーの魅力はブランド力ですが、「よく聞くブランドだから」「知人がここに頼んだら素敵な家だったから」と、ブランドだけで決めるのはやめましょう。

トータル力に優れているハウスメーカーですが、その中でも特に力を入れている得意な分野があります。

こだわりたいポイント部分を得意とするハウスメーカーを探しましょう。

●価格比較も大事ですが…

ハウスメーカーには、比較的安価な価格帯を得意としているローコストハウスメーカーと、それなりの予算が必要な大手のハウスメーカーがあります。

見積も取らずにすぐに決めてしまうのは論外ですが、数社に見積を取ったとして、価格だけで決めてしまうのもおすすめしません。

また、A社に決めていたけれど、B社が大幅に値引きしてくれるのでB社に決めたといった話をよく聞きます。

どうしてもその案件を獲得したい理由があり(自社が得意とするジャンルだったとか)、利益分を薄くしてでも値引きに応じたというケースもあります、もともと値引きを前提として高めの見積を取っていた、契約時は最低条件での見積を出し、着工後、オプションにより予算を上乗せする営業スタイルだったという場合もあります。

価格はハウスメーカー選びの大事な要素ですが、価格だけでの判断は避けましょう。

●工法やデザインを比較する

どんなデザインを得意とするかは各社で違います。HPや展示場、モデルハウスなどで比較して、イメージに近いハウスメーカーを選びましょう。

デザインとともにチェックしたいのが工法です。

耐震性や気密性など性能面の開発は各社で行っており、トータル力が優れているのがハウスメーカーと言えます。そのため工法の比較といっても、たとえば、木造軸組工法とツーバイファーを比べたら、耐震性はツーバイフォーのほうが勝るとはいえ、これはあくまで比較の問題。木造軸組工法でも建築基準法に定められた耐震性をしっかりとクリアしています。

それでもせっかく注文住宅を建てるのなら、工法にこだわりたいという方も多いでしょう。工務店に比べ、ハウスメーカーのほうがさまざまな工法が可能で、各社で得意とする工法が違い、選択肢は多くなります。

例を挙げるなら、ツーバイフォー工法なら三井ホーム、ミサワホーム、木造軸組工法なら一条工務店、鉄骨系工法ならダイワハウス、セキスイハウス、パナソニックホームズなどが有名です。

●アフターフォローの内容を確認

一度建てたら何十年もその家に住み続けたいと思うものです。「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(2000年から施行)によって、工務店でもハウスメーカーでも、構造部分などは10年間保証することが義務付けられています。

しかし、多額の費用をつぎ込んで建てた家の保証が10年間だけでは、心もとないですよね?

ハウスメーカーの中には、法律に定められた10年保証だけでなく、その後の10年、あるいは20年を保証するなど、独自のアフターフォロー体制を設けているところが少なくありません。

保証内容も、数年ごとに無料の定期点検を設けて、修繕すべき箇所の早期発見に力を入れているものや、たとえば20年目など、節目の定期点検をして修繕が必要な場合、通常価格よりも安い価格で修繕をするなど、さまざまです。

保証期間や内容も、ハウスメーカー選びの基準の一つになります。

●担当者の対応で判断

ハウスメーカーの場合、直接の相談や契約は営業担当者が行います。昔ながらの方法ですが、担当者の対応で判断するのも一つの手です。

なぜなら、担当者の知識の度合いや接客態度から、その会社の社員教育への姿勢を推測することができるからです。

また、工務店とのおつきあいほど頻繁はないにしても、営業担当者とは打ち合わせや相談などの接点があります。気持ちよく家づくりを進めるためにも、担当者との相性は重要なポイントです。

気をつけたいのは、物腰がやわらかく、こちらの希望をなんでも聞いてくれる担当者です。一見、理想的なのですが、できないことは、できないとはっきり教えてくれるのがプロ。なんでも「ハイ、ハイ」と安請け合いする担当者の言葉はうのみにしないようにしましょう。

次回は、ハウスメーカーに依頼する時の注意点です。

監修:すまいポート21埼玉

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ハウスメーカー②:こんな人はハウスメーカーがおすすめ!

注文住宅を建てる時、工務店よりもハウスメーカーに依頼するほうがおすすめの人は、次のような方です。

●こだわる部分は限定的だ!

「建売住宅ではなく注文住宅を選んだのだから、こだわりはある。ただし、それは全体的にユニークな家を建てたいのではなく、たとえば広いお風呂にしたいとか、ホームパーティーが開けるようにキッチンとリビング一体型の間取りにしたいとか、こだわる部分は決まっている」

そんな方には、オーダーメイド型の工務店よりも、カスタマイズ型のハウスメーカーがおすすめです。

●大きな買い物だから、何より安定感が大事!

ハウスメーカーの強みは、建築資材の規格が揃っていて、工法もシステム化されているところ。工事そのものは地元の工務店が担当するにしても、材料や工事の手順が決まっているので、安定した品質が保てます。

技術力や得意な分野が各社で異なる工務店と比べると、どのハウスメーカーでも一定の品質を保ちやすく、安心して任せられるという強みがあります。

●ブランド力に一目置いている

誰もが知る会社ばかりなので、ハウスメーカーのブランド力は絶大です。品質の均一性や安心感とともに、ツーバイフォー工法の先駆け、気密性を重視、木の家ならココといったような、それぞれの特徴がわかりやすいので、イメージ通りの家が建てやすいというメリットがあります。

工務店のほとんどは地元では評価されているものの、ネームバリューではハウスメーカーにはかないません。

●故郷や憧れの町に家を建てたい!

今は仕事の関係で赴任地にいるけれど、ゆくゆくは故郷で暮らしたい、あるいは、リタイヤ後はあの町で暮らしたい─そういうケースなら、ハウスメーカーのほうが適しているかもしれません。

ハウスメーカーの営業エリアは全国規模。しかもどこで建てても、ある程度基本的な設計や建築資材は統一されているので、途中、こまめにチェックできなくても、イメージとかけ離れた家が建つことはありません。家が完成するまでの間、頻繁に現場へ行けないのなら、ハウスメーカーに依頼しましょう。

ハウスメーカーの注文住宅は、基本設計がすでにあるので、工務店に依頼した時よりも打ち合わせの時間や回数が少なくてすみます。

家を建てるための雑多な手続き等もハウスメーカーなら簡略化できるので、多忙でなかなかプライベートな時間が取れない方にはおすすめです。

●直接、仕様を確かめたい

ハウスメーカーでは、住宅展示場やモデルハウスなどを設置しています。なかには、以前建てたお客様の家を直接見ることができる場合もあります。カタログや動画で見た印象と実際に見た印象は違うもの。意外なことに気づいたりすることもあります。

実際の家を見て、それからどうするのか決めたいという方には、ハウスメーカーがおすすめです。

展示場や見学会ではどのようなところに工夫しているのか、最新の技術の凄さ、今のトレンドなどを丁寧に説明してくれるので勉強になります。

●なるべく早く完成してほしい

建売住宅に比べると注文住宅の工期は長くなりますが、入学や入社、退職などの予定があり、できれば、それに間に合うように新しい家を完成させたいのなら、工務店よりもハウスメーカーに依頼するほうが工期を短縮できます。

トータルすると、1~3か月程度、ハウスメーカーのほうが短いようです。

●倒産のリスクが少ない

小規模な工務店の場合、倒産のリスクがあると説明しましたが、ハウスメーカーは大企業なので倒産のリスクはほぼないと言っていいでしょう。

倒産のリスクが少ないということは、依頼した家が完成するまでの間だけでなく、その後のアフターフォローの観点からも安心です。

●アフターフォローの内容が明確

工務店は地元にあるため、トラブルがあればすぐに駆け付けてくれ、長年の信頼が大切なのでアフターフォローにも力を入れていると説明しました。

しかし、工務店によってアフターフォローの内容はさまざまで、法に定めている10年間だけなのか、その後も保証してくれるのか、どんなケースが対象になるのかなど、曖昧な部分も多いようです。その点、全国展開しているハウスメーカーは、アフターフォローの期間や内容を明確化しています。

また24時間365日、相談を受け付けるコールセンター設置など、アフターフォローの充実を計っているところもあります。

ハウスメーカーには、工務店にはないメリットがあることがわかりました。

次回のテーマは、ハウスメーカーの選び方です。

監修:すまいポート21埼玉

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ハウスメーカー①:ハウスメーカーの特徴を知ろう! 

注文住宅を依頼する窓口には地元の工務店のほか、ハウスメーカーという選択肢もあります。

ハウスメーカーの特徴について紹介します。

●ハウスメーカーという正式名称はない!?

ハウスメーカーのイメージは家を建てる会社ですが、実は厳密な定義はありません。工務店が施工を主業務の会社としているのに対して、ハウスメーカーには曖昧な部分があります。

ハウスメーカーといえる条件としては全国展開していること、自前の生産設備を持っていることが挙げられます。

工務店が地域密着型なのに対して、ハウスメーカーの営業エリアは全国に及び、会社の規模も大きくなります。

また、自前で生産設備を持っており、工法をシステム化したり、建築資材を一括で購入するなどのスケールメリットを持っています。

●注文住宅を大量生産

注文住宅とは、お客様の希望に応じて個別に家を建てるものですが、それでは手間もお金もかかってしまいます。そこで基本の設計や工法、建築資材の規格を統一することで、効率のよい注文住宅を提供しているのがハウスメーカーです。

たとえば、現場へ資材を運ぶ前に加工しておき、現場では組み立てるだけといった工法などを用いています。

●形式適合認定とは

ハウスメーカーは、「形式適合認定」を受けているので、家を建てるために必要なさまざまな手続きを簡略化できるというメリットがあります。これにより、工事本体以外の作業を効率よく進めることができます。

形式適合認定とは、建築基準法に基づいて審査、認定されるものです。審査は国土交通大臣が指定した指定認定機関が行う公的なものです。内容としては、工法や建築資材のサイズ、仕様などを申請しておき、その範囲内で家を建てることを条件に、手続きを簡略化してもらいます。

●ハウスメーカーにはどんな会社がある?

ハウスメーカーは全国規模で営業しており、CMなどによるネームバリューがあるので、誰もが「ああ、知っている」という会社ばかりです。

たとえば、セキスイハイム、タマホーム、ヘーベルハウス、住友林業、一条工務店、トヨタホーム、三井ホーム、アキュラホーム、ダイワハウス、ミサワホーム、スウェーデンハウスなどがあります。

●木造軸組工法とツーバイフォー工法

一般に普及している木造の工法に「木造軸組工法」と「ツーバイフォー工法」があります。

木造軸組工法は、空間の点と点をつなぐようにして家を建てる工法、ツーバイフォーは面を基準として家を建てる工法です。

木造軸組法は、日本で古くから使われてきた工法です。まず柱を何本か立て、柱と柱の横部分に太い木を通します。これを梁と言います。これで四角い空間ができますが、必要な部分に斜めに木材を入れて補強します。これを筋交いと言います。

ツーバイフォー工法は、戦後、アメリカから入ってきた新しい工法です。木製パネルと角材を組み合わせることで、壁や床をつくっていきます。ツーバイフォーとは、2インチ×4インチのことで、角材のサイズを指します。

ツーバイフォーよりも太い角材、たとえば2インチ×6インチサイズのものを使って建てると、ツーバイシックスという呼び方になります。

ちなみに、間取りの自由度という点では、空間を点と点でつないでいる木造軸組工法のほうがツーバイフォー工法よりも高いのですが、大きな間取りを入れたいなら、柱が邪魔になりがちな木造軸組工法よりも、ツーバイフォー工法のほうが適しています。

●ユニット工法

ユニット工法とは、各部屋を工場で組み立て、部屋単位で現場に運ぶ工法のことです。現場で作業する部分が少ないので、工期が短くてすみます。

●軽量鉄骨造と重量鉄骨造の違いとは

鉄骨造とは、木造軸組工法による柱や梁部分に木材ではなく鉄骨を使う工法です。家の骨組みを木材よりも強度の高い鉄骨に変えるというわけです。

鉄骨造には、軽量鉄骨造と重量鉄骨造の2種類があります。違いは使用する鋼材の厚さです。厚さ6mm未満の鋼材を使用すると軽量鉄骨造、厚さ6mm以上の鋼材を使用すると重量鉄骨造になります。

一戸建てなら軽量鉄骨造が採用されます。軽量鉄骨造は、骨組みを木材から鋼材に変えるだけなので、材料費は多少上乗せされますが、建築にかかる費用はそれほどかかりません。

ハウスメーカーへのイメージ、変わりましたか。

注文住宅と大量生産という相反することを上手に組み合わせている点が特徴です。

次回は、ハウスメーカーに依頼するメリットとともに、工務店よりもハウスメーカーに依頼するほうが、おすすめなケースをご紹介します。

監修:すまいポート21埼玉