
ハウスメーカー①:ハウスメーカーの特徴を知ろう!
注文住宅を依頼する窓口には地元の工務店のほか、ハウスメーカーという選択肢もあります。
ハウスメーカーの特徴について紹介します。

●ハウスメーカーという正式名称はない!?
ハウスメーカーのイメージは家を建てる会社ですが、実は厳密な定義はありません。工務店が施工を主業務の会社としているのに対して、ハウスメーカーには曖昧な部分があります。
ハウスメーカーといえる条件としては全国展開していること、自前の生産設備を持っていることが挙げられます。
工務店が地域密着型なのに対して、ハウスメーカーの営業エリアは全国に及び、会社の規模も大きくなります。
また、自前で生産設備を持っており、工法をシステム化したり、建築資材を一括で購入するなどのスケールメリットを持っています。
●注文住宅を大量生産
注文住宅とは、お客様の希望に応じて個別に家を建てるものですが、それでは手間もお金もかかってしまいます。そこで基本の設計や工法、建築資材の規格を統一することで、効率のよい注文住宅を提供しているのがハウスメーカーです。
たとえば、現場へ資材を運ぶ前に加工しておき、現場では組み立てるだけといった工法などを用いています。
●形式適合認定とは
ハウスメーカーは、「形式適合認定」を受けているので、家を建てるために必要なさまざまな手続きを簡略化できるというメリットがあります。これにより、工事本体以外の作業を効率よく進めることができます。
形式適合認定とは、建築基準法に基づいて審査、認定されるものです。審査は国土交通大臣が指定した指定認定機関が行う公的なものです。内容としては、工法や建築資材のサイズ、仕様などを申請しておき、その範囲内で家を建てることを条件に、手続きを簡略化してもらいます。
●ハウスメーカーにはどんな会社がある?
ハウスメーカーは全国規模で営業しており、CMなどによるネームバリューがあるので、誰もが「ああ、知っている」という会社ばかりです。
たとえば、セキスイハイム、タマホーム、ヘーベルハウス、住友林業、一条工務店、トヨタホーム、三井ホーム、アキュラホーム、ダイワハウス、ミサワホーム、スウェーデンハウスなどがあります。
●木造軸組工法とツーバイフォー工法
一般に普及している木造の工法に「木造軸組工法」と「ツーバイフォー工法」があります。
木造軸組工法は、空間の点と点をつなぐようにして家を建てる工法、ツーバイフォーは面を基準として家を建てる工法です。
木造軸組法は、日本で古くから使われてきた工法です。まず柱を何本か立て、柱と柱の横部分に太い木を通します。これを梁と言います。これで四角い空間ができますが、必要な部分に斜めに木材を入れて補強します。これを筋交いと言います。
ツーバイフォー工法は、戦後、アメリカから入ってきた新しい工法です。木製パネルと角材を組み合わせることで、壁や床をつくっていきます。ツーバイフォーとは、2インチ×4インチのことで、角材のサイズを指します。
ツーバイフォーよりも太い角材、たとえば2インチ×6インチサイズのものを使って建てると、ツーバイシックスという呼び方になります。
ちなみに、間取りの自由度という点では、空間を点と点でつないでいる木造軸組工法のほうがツーバイフォー工法よりも高いのですが、大きな間取りを入れたいなら、柱が邪魔になりがちな木造軸組工法よりも、ツーバイフォー工法のほうが適しています。
●ユニット工法
ユニット工法とは、各部屋を工場で組み立て、部屋単位で現場に運ぶ工法のことです。現場で作業する部分が少ないので、工期が短くてすみます。
●軽量鉄骨造と重量鉄骨造の違いとは
鉄骨造とは、木造軸組工法による柱や梁部分に木材ではなく鉄骨を使う工法です。家の骨組みを木材よりも強度の高い鉄骨に変えるというわけです。
鉄骨造には、軽量鉄骨造と重量鉄骨造の2種類があります。違いは使用する鋼材の厚さです。厚さ6mm未満の鋼材を使用すると軽量鉄骨造、厚さ6mm以上の鋼材を使用すると重量鉄骨造になります。
一戸建てなら軽量鉄骨造が採用されます。軽量鉄骨造は、骨組みを木材から鋼材に変えるだけなので、材料費は多少上乗せされますが、建築にかかる費用はそれほどかかりません。
ハウスメーカーへのイメージ、変わりましたか。
注文住宅と大量生産という相反することを上手に組み合わせている点が特徴です。
次回は、ハウスメーカーに依頼するメリットとともに、工務店よりもハウスメーカーに依頼するほうが、おすすめなケースをご紹介します。
監修:すまいポート21埼玉
