ハウスメーカー④:ハウスメーカーに依頼する時の注意点

注文住宅をハウスメーカーに依頼した場合、どのようなリスクがあり、どんなことに気をつければよいのでしょうか。

●設計の自由度は工務店よりは低い

注文住宅は、こだわりを実現させることができる夢の家ですが、工務店に比べると、ハウスメーカーは、設計の自由度という点では制限があります。

ハウスメーカーは、自社で定めた工事の手順や建築資材を使い、基本的な設計プランをベースに、お客様の要望をカスタマイズしていきます。

ハウスメーカーの中には、工務店と同じくらい自由な設計が可能な部門を設置しているところもあるようですが、そこに依頼すると、価格が跳ね上がったり、工期が長くなるなどのデメリットが生じる可能性があります。

●希望が伝わりにくい可能性も…

大手企業ゆえの注意点としては、ハウスメーカーでは、営業、設計、工務の担当者が部署別に分かれていて、分担して仕事を進めていることです。またハウスメーカー側の工務担当者は、実際に工事をする人ではなく、工事の管理を行う人です。ご存じのように、現場での工事は工務店が担っています。

実際にお客さんの希望をヒアリングし、工事内容を細かく詰めていくのは営業担当者ですが、営業担当者と設計担当者とのコミュニケーションがうまくいかないと、こちらの要望がきちんと伝わっていないこともあります。ここが、小規模の工務店とは違うところです。

もっとも設計プランの相談時には、営業担当者だけでなく設計担当者が同席する場合もあるので、どういう進め方をするのかは事前に確認しておきましょう。

また、こちらの希望通りに設計してくれたけれど、曲線の角度など、現場において微妙な修正がされていたといったケースもあるようです。

●予算オーバーしがち

価格で比べると、同じような仕様なら、ハウスメーカーよりも工務店に依頼したほうが安いと言われています。これは、ハウスメーカーでは広告費や営業担当者の人件費など、工務店よりもコストが多くかかるためです。そのことは承知していたとしても、予算オーバーの幅が想定よりも高かったという話を聞くことがあります。

ハウスメーカーは、注文住宅でありながら、建築資材を一括し、規格を統一することで、コストと工事の効率化を行っています。つまり、ハウスメーカーの見積は、一般的な規格品を通常の工法で使うことを前提に出されたものです。

そのため、こちらの希望で、たとえば床材を別の資材に変えるなど指定品以外のものにすると、大幅に価格が上がってしまうことがあります。

ちなみに、ハウスメーカーに依頼すると、住宅ローンの審査が通りやすいと言われていますが、そのメリットが思わぬ結果を招くこともあります。

住宅ローンの審査が通ったためにオプションを多用し、当初の予算よりもかなり高い金額になってしまったという例です。

せっかくなら、これもあれも付けたい。もっといい家にしたい。とは誰もが思うところ。しかし、予算とのバランスを考えて、あきらめる部分も出てきます。ところがローンが組めてしまったことで、背伸びをした家づくりになったというわけです。

●土地によってコスパが悪くなる

土地が非常に狭く、一般的な家の形に建てられない、現場の前の道路が狭かったり高低差があったりして建設資材の運び込みが難しい、隣の住宅と密集しているため、邪魔にならないように複雑な設計にしなければならないなど、工事が難航しそうな土地に建てる場合、建築コストがかなり上がる可能性があります。

なぜならハウスメーカーのメリットは、統一規格品の使用と工事のシステム化にあるからです。

そのため前述のような土地の場合、ハウスメーカーならでのメリットが十分に生かされず、規格外の建設資材への変更や手間が増え、コストパフォーマンスが悪くなるのです。

●工務店任せの可能性も…

ハウスメーカーに依頼しても、実際に現場で工事を行うのは提携している工務店です。ハウスメーカーは設計通りにきちんと工事が行われいるかを監理しなければならないのですが、実際には工務店にお任せというケースがほとんどです。

建築資材はハウスメーカーが供給し、工法もシステム化されているので、品質のバラツキが起こるリスクは少ないのですが、ハウスメーカーに依頼したから100%安心ではないことを覚えておいてください。

監修:すまいポート21埼玉

投稿者: ラクティブ管理者

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