家を建てたいときはどうすればよいの?5~設計プラン作成で気をつけるべきポイントとは?~

設計プラン作成で気をつけるべきポイントとは?

何から始める?④:設計プラン

注文住宅を建てようと決心し、大まかなイメージと予算を設定。土地選びや住宅ローンの課題をクリアしたら、いよいよ設計プランの具体的な作成です。

外観デザインのイメージは持っていたとしても、間取りのイメージはできているでしょうか?

設計はプロにお任せ!という手もありますが、お任せするにしても、できるだけ希望は具体的に伝えることが、満足のいく家づくりのポイントです。

どこの工務店、あるいはハウスメーカーに依頼するかは重要なことですが、工務店とハウスメーカーのメリット&デメリット、上手な選び方に関しては、他の記事で紹介しているので、今回は設計プランをテーマにします。

●ポイント①収納スペースは床面積の1割超が理想

暮らしやすい家を実現してくれるのは、間取りにあると言ってもいいほどです。

洒落た外観は人目を引き、その家の価値を高めてくれますが、実質的な満足感は暮らしやすさにあります。

暮らしやすい間取りのポイント①は「収納スペースが多いこと」です。

注文住宅を建てた人へのあるアンケート調査によると、取り入れてよかったものの上位10のうち「ウォークインクローゼット」「シューズクローク」「パントリー」「階段下の収納」と収納に関するものが4つもランクインしています。

収納スペースは床面積の1割超あるのが理想だと言われています。意外と大きな割合を占めていると思いませんか?

設計プラン作成の際には、その収納スペースには何を入れたいのかを具体的に伝えることが大切です。

実は、収納スペースは大きければ使い勝手がよいというものではありません。収納する物に見合ったベストサイズがあるのです。

たとえばウォークインクローゼットのベストサイズは、コートやスーツ類が多い、カジュアルな服装が多い、バッグの種類が多いなど、持ち物によって変わってきます。

キッチンに設けるパントリーも、お料理好きな人や家族が多い人と、外食が多い人ではサイズが違ってきます。

●ポイント②家事動線で家事が楽々こなせる!

収納スペースとともに、せっかくの注文住宅ならではの特徴が活かせるのが家事動線を考えた間取りです。

たとえば、キッチンとリビング、パントリーがつながっていて回遊できる配置なら、料理運びも後片付けもスムーズですし、料理中、食材やキッチンアイテムなどをパントリーからすぐに出し入れすることができます。

子どもとともにお菓子づくりをよくするならアイランドキッチンが便利です。

料理も洗濯も効率的にこなしたい人には、キッチンの隣に洗濯室を設置することもできます。

家事動線を考えた間取り(見せる収納と隠す収納)は、ふだんどのように家事をこなしているか、また暮らしたいかを設計者に伝えることが重要です。

●ペットや子どもがいるなら…

そのほか、愛犬が自由に遊べるような中庭がほしい、庭からペットが自由に行き来できるペット用の出入り口がほしい、小さな子どもがいるので、子どもの様子がキッチンから見渡せるようにしたいなど、希望はそれぞれです。

あるいは、年配者がいるので、和室が1室はほしいといった要望もあるかもしれません。

まずは、要望をできるだけ具体的に伝えることです。

●意外と気づかない盲点とは

間取りは平面図で見るため、実際に住んでみてから不便さに気づいたということもよくあるものです。主なものを挙げてみると、

・子ども部屋を2階にしたら、子どもが走り回る音が階下に響いてうるさい

・コンセントが足りずに不便

・照明スイッチの位置が高すぎたり低すぎたり。あるいはドアを開けるとドアに隠れてしまう

・玄関からリビングが丸見えになってしまう

・浴室が通りに面しているので外の人が気になる

・吹き抜けにしたら冷暖房がききにくい

・寝室が道路に面しているので、夜、車の音が気になる

など、音に関するものや使い勝手の悪さを感じるものが多いようです。また、道路に面していたなど、間取り図だけではわからない周囲の環境に関することも盲点になります。

そこで、間取り図に配置する家電や家具を書き込んだり、隣の家の窓の位置などの情報を加えることで、できるだけリアルな空間を想像しやすいようにしてチェックすることが鍵になってきます。

間取りは一度決めてしまうと、なかなか変更できません。どうしても変更するとなると、その分追加の費用がかかってきます。

そういった事態にならないように、プランニングの段階で設計者とよく話し合い、アドバイスをもらいながら慎重に作成していきましょう。

次回は、経験者の失敗例に学ぶことがテーマです。

監修:すまいポート21埼玉

家を建てたいときはどうすればよいの?4~住宅ローンで気をつけるべきポイントとは?~

住宅ローンで気をつけるべきポイントとは?

何から始める?③:住宅ローン

住宅ローンの融資借入額は大きいので、わずかな利息差でもトータルの返済額に大きな影響が出ます。とはいえ、低い金利の金融機関を選べば正解かというと、そう単純ではありません。

住宅ローンを組むなら、ぜひ知っておいてほしい基礎知識をご紹介します。

●住宅ローンには3つの種類がある

住宅ローンには、3つの種類があることをご存じですか?

すぐに思いつくのは金融機関での住宅ローンですが、そのほか財形融資、フラット35があります。

財形融資とは、財形貯蓄をしている人だけが使える公的融資で、固定金利ですが、金利は5年ごとに見直されます。2021年7月現在で1.21%(団体信用生命保険に加入される場合)です。

フラット35とは、民間金融機関が住宅金融支援機構と提携している住宅ローンです。更に耐震性やバリアフリー、省エネルギー型など、一定の基準を満たすとフラット35Sが適用されて、金利が下がります。

ただし、金利や手数料などは各金融機関によって異なるため、よく調べることが大切です。

●変動金利と固定金利のメリットとデメリット

金利には変動金利と固定金利があります。

変動金利は、金融の情勢によって、そのつど金利が変わるタイプです。

固定金利は、融資時に決めた金利がずっと続くタイプです。

このほか、数年間は固定金利が適用された後、固定金利にするか、変動金利にするかを選べる固定期間選択型があります。

変動金利のメリットは、固定金利よりも安く設定されているのでお得なことです。しかも、金融市場全体の金利が下がれば、連動してさらに金利が下がります。

デメリットは、市場金利が上がってしまうとそれに連動するため、金利が上がり当初の予定額よりも多く返済することになります。

固定金利のメリットは、当初設定された金利が変わらないので返済の予定を立てやすいことです。

デメリットは、もともと変動金利に比べると金利が高く設定されていることから、もし途中で低金利時代が訪れても、金利が下がらないことです。

一般に、返済期間が短い人や繰り上げ返済をしたい人は、固定金利よりも安く設定されている変動金利を選んだほうがお得です。また、今は低金利なので、その恩恵を受けるなら変動金利や固定期間選択型がおすすめです。

繰り上げ返済は難しく、返済期間が長くなると予想される人や返済額が変わらないほうが安心だという人は固定金利がおすすめです。

●元利均等返済と元金均等返済の違いは?

返済方法には元利均等返済と元金均等返済があります。

どう違うのかというと、同じ金額を借りても月々の返済額とトータルの返済額が違ってきます。

元利均等返済とは、融資額(元金)と金利を合計したものを返済期間で均等に割って月々の返済額を出したものです。

メリットは、毎月の返済額が一定なので長期の返済計画が立てやすいことと、返済当初の返済額が元金均等返済に比べて少なくてすむことです。

デメリットは返済総額を比較すると、元金均等返済よりも多くなります。

一方、元金均等返済とは、元金をまず返済期間で均等に割り、それに対して金利をそのつど足すことで月々の返済額を出します。

メリットは、元利均等返済に比べて、利子を含めた返済総額が少なくなることです。

デメリットは、毎月の返済額が変わることと、返済当初は、残っている元金額が大きいため利子も高くなり、返済額が多くなることです。

同じ融資額で同じ金利でも、元利均等返済にするか、元金均等返済にするかの違いで返済当初の金額が1万円以上(元金や金利によって違う)変わるので、必ず比較しましょう。

たとえば、子どもが生まれたのを機に家を建てることにして住宅ローンを組む場合、これから子どもにお金がかかるから当初の返済額を抑えたいという人もいれば、子どもが小さいうちはそれほど教育費はかからないので、むしろ先々の返済額を少なくしたいと考える人もいます。

どちらがお得というわけではなく、それぞれの事情により最適な方法は違うので、専門家に相談し比較することが大切です。

●金融機関の賢い選び方

土地探しや建築を依頼した工務店やハウスメーカーから金融機関を紹介されることも多いものですが、その金融機関で借りるのがベストというわけではありません。

ただし、提携金融機関のため優遇措置が受けられることもあります。

それは魅力ですが、他の金融機関とも比べたうえで決定することをおすすめします。

金融機関の選び方のポイントは次のとおりです。

①金利は選ぶ時の大切な基準だが、金利だけでなくそのほかの条件も含めて判断する。

 金利の種類や返済方法など。

②保証料や事務手数料、繰り上げ返済手数料などを確認する。

③団体信用生命保険の保険料や内容を確認する。

このほか相談しやすいかどうかも大切なことです。

次回は、設計プランがテーマです。

監修:すまいポート21埼玉

家を建てたいときはどうすればよいの?3~土地探しで気をつけるべきポイントとは?~

土地探しで気をつけるべきポイントとは?

何から始める?②:土地探し

予算や建てたい家の大まかなイメージが決まったら、土地探しです。注文住宅では、建売住宅や分譲マンションと違い、土地を自分で見つけなくてはなりません。

大変ですが、住みたいエリアに住める、条件に合う立地に家を建てられるなどのメリットがあります。

●どこに住みたいかをピックアップ

家族でどのエリアに住みたいかを話し合い、条件や候補エリアを絞り込むことが最初にすべきことです。よく挙げられる条件としては、次のようなものがあります。

・どの小学校や中学校の学区になるのか

・幼稚園や保育園、小学校までの距離はどのくらいか

・駅に近いか。公共交通機関へのアクセスは便利か

・陽当たりはよいか

・近くにスーパーマーケットや病院などの施設はあるか

・幹線道路から離れているか(静かな環境か?)

このほかにもこだわりたい条件があるでしょうから、条件をピックアップしたら、必ず譲れないもの、できれば叶えたいものと、優先順位をつけておきましょう。

●ベストな土地ではなくベターな土地を探す

誰もがいいなと思う土地は人気が高く価格もハネ上がります。予算内で希望に合う土地を見つけられる可能性はかなり厳しいものです。

いい土地は争奪戦になりますから、ゆっくり時間をかけて待っていても入手できる確率は高くはなりません。

完璧な土地を見つけるのではなく、ベターな土地を探すのがおすすめです。

●希望エリアの情報収集をする

希望エリアや条件が整理できたら情報収集します。インターネット検索で相場を知るというのも一つの手です。

たとえば、埼玉県で土地を探す場合、都心への通学・通勤圏内の割に土地価格は手頃なイメージですが、埼玉県の人気エリア第1位の浦和区では坪単価151万円にもなります。

人気エリアは浦和、大宮で、人気第1位の駅は埼玉高速鉄道線の浦和美園駅でした。一方で、地域ごとに様々な特長があり利便性や環境の良さがあるので希望の整理をおこない専門家と相談するのも大切です。

●必ず現地に行く

情報収集の手段として優れているインターネットですが、候補になりそうな土地があったら、必ず現地へ見に行きましょう。

画像で見たり、グーグルマップなどで周辺の状況を確認することはできますが、現地へ行かないとわからないことがたくさんあります。

たとえば、昼と夜ではまったく様子が違うことがあります。公園が目の前で昼間はとても環境よく見えたけれど、夜になると真っ暗になって物騒な雰囲気に変わるといったことがあります。

近所に高層マンションが建っていて日陰になってしまう、古くから開発された住宅地のため、ご近所はほとんど高齢者世帯だった、家の前の道路が思ったより狭い、近くに空き家があったなど、いろいろな情報を知ることができます。

また現地に行ってみると、土地が平地ではなくて道路から少し盛り上がっていたということも。この場合は、土地を整地にするための費用が別途かかります。どのくらいの費用が必要かなど、詳しいことは専門家に相談しなければなりませんが、段差のある土地は思わぬ出費がかかると心得ましょう。

また、最近は豪雨や川の氾濫なども気になることから、ハザードマップの確認も加えるのがよいでしょう。

●土地探しは不動産屋さんに頼むが正解!? 

土地探しと言えば、不動産屋さんをまず思い浮かびます。土地のプロの不動産屋さんは一般には出回らない土地情報を持っていますし、古くからその地域で営業しているのなら、売主とも懇意で、スムーズな交渉をしてくれるはずです。

ただし、注文住宅を建てたいのなら、土地は土地、住宅は住宅と別々に考えるよりは、トータルで考えることをおすすめします。

なぜなら、家づくり全体の予算や住まいの大きさに影響する建ペイ率などの建築基準法などに関わってくるからです。

予算に関しては、土地選びだけを先にしてしまうと、その場所がとても気に入ったので予算オーバーだったけれど入手した結果、建築費用を大幅にカットしなければならなくなったということが起きる可能性があります。

建ペイ率とは、敷地面積に対しての建築可能な建築面積のことです。住宅地や商業地などの用途地域によって割合が変わってきます。建ペイ率が大きいほど建物も大きく建てられますが、隣接地も同じ条件なので、陽当たりの良さが変わってくる可能性があります。このほか、敷地面積に対する延床面積の割合を示す容積率も決められています。

建ペイ率や容積率は、建築デザインに大きく関わってくることがあります。

このような理由から、土地探しから行ってくれる工務店やハウスメーカーに相談することがおすすめです。

ちなみに、土地購入だけの場合、低金利で長期の住宅ローンを組めないことがありますが、土地と住宅建設一括なら、どちらも住宅ローンの対象になるというメリットもあります。

次回は、住宅ローンがテーマです。

監修:すまいポート21埼玉

家を建てたいときはどうすればよいの?2

まず建てたい家のイメージと予算を決定する!

何から始める?①:イメージづくりと予算

家を建てたいと思ったら、最初にやるべきことは、先ずはどんな家がいいのかといったイメージづくりと、次に大まかな予算を決定することです。そのために必要なのが情報収集です。

●家族で家のイメージを話し合おう

快適な家とは、住む人のライフスタイルにぴったり合っている家です。どんな家に住みたいかを家族で話し合いましょう。

とはいえ「どんな家に住みたい?」と聞かれて、具体的な案をすぐに答えられる人はほとんどいません。

そこでポイントとなるのが情報収集です。インターネット検索のほか、ハウスメーカーや工務店のカタログを取り寄せて参考にしましょう。

また、モデルハウスや住宅展示場などへ足を運んでみるのも大切です。

住宅展示場は素敵な家ばかりで目移りしてしまいますが、「自然素材にこだわった木の家」「オール電化のスマートハウス」「開放感のある吹き抜け」など、取り入れたいアイデアがあれば、この段階ではどんどん入れておいてかまいません。

ただし、あれもこれもと、すべてのアイデアを実現できるかというと、そこは別なので、どうしても譲れないものは何かなど、優先順位はつけておきましょう。

●注文住宅の相場はどのくらい?

家を建てる時に、やはり一番気になるのは価格です。国土交通省の「令和2年度 住宅市場動向調査」によると、2001年に調査を開始して以来、戸建ての価格は過去最高となっており、注文住宅の三大都市圏での平均購入価格は5,359万円(土地及び建築費用の合計)となっています。

もっともこの価格はあくまで平均で、立地条件や建築仕様によって変わってきます。

●注文住宅建築費の価格は幅広い!

5,359万円、この価格を見て、高いと感じるか、手頃と感じるかは、それぞれですが、あくまで目安の価格です。

注文住宅のメリットは、工夫次第で価格の設定幅が広いことが挙げられます。ここでは、建築費用の価格幅についてご紹介します。

注文住宅の建築費用の目安はおおよそ3,000万円台と言われています。これだけの予算があれば、希望通りの洒落た外観や間取り、広々としたリビングなどが実現できます。さらに、車庫は電動シャッターにする、浴室乾燥機、ビルドインの食器洗い乾燥機などの設備も充実できます。

「素敵だな」と目にとまる家があれば、だいたい3,000万円台の予算をかけているようです。

敷地面積がかなり広い、細かなところにもこだわった家を建てるとなると、4,000万円台になることもあります。

一方、徹底してシンプルな設計にすることで、建築費用を1,000万円台に抑えることもできます。外観も間取りもシンプルにしたり、2階建てなら、1階と2階の床面積を同じにします。また、水回りを1か所に集めたりするなどの工夫が必要です。

詳しくは専門家との相談ですが、1,000万円台でも注文住宅を建てられることは知っておいてほしいものです。

まだ若いので予算があまりない、家を建てたいけれどシンプルな家が好きといった人におすすめです。

ちなみに、2,000万円台で家を建てることももちろん可能です。1,000万円台の家よりは、予算をかけられるところも多くなります。しかしながら、家を建てる時、2,000万円台の家の設計が一番難しいそうです。

それなりにカスタマイズできるけれど、3,000万円台の家のように、ほとんどの希望を満たすことができるほどではなく、条件の取捨選択が難しいからです。

●予算には諸費用を含めることを忘れずに!

予算を設定する場合、忘れがちなのが諸費用です。新しく家を建てたら、インテリアや電化製品、家具、カーテンなどを新調したくなるものです。

使っていたものをそのまま使うつもりでいても、サイズが合わなくなったという場合もあります。

思いがけず新調するものが増えれば、当然諸費用が多くなります。

さて、インテリア等をどうするかは好みの問題ですが、諸費用として必ず用意しなければならないものに、住宅ローン諸費用や不動産仲介手数料、印紙代、登録免許税、司法書士への報酬などがあります。

実際には見積段階でこまかく算出していくことが必要ですが、少なくとも大まかな予算を決める段階では、建築費用の1割程度は諸費用として加えるようにしておきましょう。

次回は、土地の購入がテーマです。

監修:すまいポート21埼玉

家を建てたいときはどうすればよいの?

家を建てるタイミングや実行までの時間など、気になる事情をご紹介!

プロローグ:家を建てる決め手は?

多くの人にとって「家」を建てることは人生最大の決意!かもしれません。少なくとも、これほど大きな買い物をすることはなかなかないものです。
そこで、気になる「家」を建てたきっかけや実行までの期間など、気になる周辺事情を探ってみました。

●家を建てるタイミングは?

家を建てる背景には「ライフイベント」が関わっていることが多いようです。
主なライフイベントには、結婚、出産、子どもの入学、退職などがあります。あるハウスメーカーの調査によると、家を建てるタイミングで一番多いのは出産、2番目が子どもの入園・入学です。いずれも子供に関わることでした。
子どもにとってよい環境を用意したいという両親の思いとともに、子育てに直面して具体的なイメージがわきやすいという点があります。たとえば、子どもの入園や入学を機に家を建てるのは、通わせたい幼稚園や保育園、小学校が近くにあったり、通学に便利な立地だという理由があります。
一方、退職を機に終の棲家として家を建てるという人もいます。子どもは巣立ち、夫婦だけの生活になったから間取りは少なくていい、また親との同居のためなどが主な理由ですが、このタイミングでの家づくりはバリアフリー設計に配慮して老後を安心して暮らすという理由からです。
一方、ライフイベントとは関係なく、現在住んでいる住まいの今後の家の負担が大きいので持ち家がほしくなった、たまたま気に入った土地を見つけた(手に入った)といった、お金やそのほかの事情で家を建てることを決意した人もいます。

●住宅ローンを活用するなら30代がおすすめ

自己資金100%で家を建てられる人はごくわずかです。平均的な自己資金率は2割程度で、残りは住宅ローンを利用している人が多いのが実情です。
住宅ローンの審査に最も通りやすいとされる年齢が35歳前後と言われているのをご存じですか?
それは、定年(60歳~65歳)までにはまだまだ時間があるし、20代前半のように職に就いたばかりでもなく、それなりに社会的信用を築いた年齢だからです。
また、住宅ローンの返済期間を考えても30代はメリットがあります。
返済額は、融資額と返済年数で決まります。30代なら35年ローンを組めますが、50代では35年ローンは難しく、返済年数は短くなるので、同じ融資額でも月々の返済額は多くなってしまいます。
こうしたことから、無理のない範囲での返済額を設定できるのが30代といえます。

●家を建てると決めてから実行するまでの期間は?

注文住宅の場合、工事着手から新居に入居出来るまでの工事期間に半年ぐらいかかります。では、実際に家を建てようと考え始めてから、土地選定や建築会社選定するまでどのくらいの時間がかかっているのでしょうか?
注文住宅を選んだ人に対するあるアンケート調査によると、検討を始めてから土地決定、建築会社決定までに3~6か月前後の期間がかかったと回答した人が最も多いというアンケート結果となりました。
実際に家を建てるには、検討し始めてから1年前後くらいは期間としてかかっているわけです。意外にも時間を要する注文住宅はご自身のライフイベントや子どもの入園、入学等のタイミングも考慮して早い段階で動き始めることが時間に追われ判断ミスを無くす成功法なのかもしれません。

●住宅展示場の意外な落とし穴とは

情報収集法で一番多かったのは、インターネット検索やハウスメーカーのカタログ請求、SNS等を利用したものでした。
そして、多くの人が実践していたのが、実際にモデルルームや展示場まで足を運ぶことです。どんな家を建てたいかを具体的にイメージしやすいというのが理由ですが、意外な盲点があるので、ご注意を。
展示場やモデルルームはハウスメーカーのPRの場ですから、どうしてもお金をかけた豪華なつくりになります。そのため展示場で素敵だと思って、そのイメージ通りに家を建てようと思うと予算オーバーになりかねません。
また展示場やモデルルームは、様々な要素を入れることから一般の住宅よりも広い場合が多く、実際にそのままのデザインやインテリアを取り入れると生活スタイルとのバランスが悪くなることも。
プロがおすすめするモデルハウス見学法は、実際にそのハウスメーカーが建てた住宅を見学することだそうです。住宅展示場に比べると、現実的なサイズに近いものが多く、しかも、最新の流行を取り入れている場合が多く見受けられます。なぜなら、住宅地の施工事例は実際の顧客の要望を形にしたものだからとのことでした。

今回は、家づくりの周辺事情を取り上げましたが、次回からは、具体的に何をすべきかについて詳しくご紹介していきます。

監修:すまいポート21埼玉