
設計プラン作成で気をつけるべきポイントとは?
何から始める?④:設計プラン
注文住宅を建てようと決心し、大まかなイメージと予算を設定。土地選びや住宅ローンの課題をクリアしたら、いよいよ設計プランの具体的な作成です。
外観デザインのイメージは持っていたとしても、間取りのイメージはできているでしょうか?
設計はプロにお任せ!という手もありますが、お任せするにしても、できるだけ希望は具体的に伝えることが、満足のいく家づくりのポイントです。
どこの工務店、あるいはハウスメーカーに依頼するかは重要なことですが、工務店とハウスメーカーのメリット&デメリット、上手な選び方に関しては、他の記事で紹介しているので、今回は設計プランをテーマにします。

●ポイント①収納スペースは床面積の1割超が理想
暮らしやすい家を実現してくれるのは、間取りにあると言ってもいいほどです。
洒落た外観は人目を引き、その家の価値を高めてくれますが、実質的な満足感は暮らしやすさにあります。
暮らしやすい間取りのポイント①は「収納スペースが多いこと」です。
注文住宅を建てた人へのあるアンケート調査によると、取り入れてよかったものの上位10のうち「ウォークインクローゼット」「シューズクローク」「パントリー」「階段下の収納」と収納に関するものが4つもランクインしています。
収納スペースは床面積の1割超あるのが理想だと言われています。意外と大きな割合を占めていると思いませんか?
設計プラン作成の際には、その収納スペースには何を入れたいのかを具体的に伝えることが大切です。
実は、収納スペースは大きければ使い勝手がよいというものではありません。収納する物に見合ったベストサイズがあるのです。
たとえばウォークインクローゼットのベストサイズは、コートやスーツ類が多い、カジュアルな服装が多い、バッグの種類が多いなど、持ち物によって変わってきます。
キッチンに設けるパントリーも、お料理好きな人や家族が多い人と、外食が多い人ではサイズが違ってきます。
●ポイント②家事動線で家事が楽々こなせる!
収納スペースとともに、せっかくの注文住宅ならではの特徴が活かせるのが家事動線を考えた間取りです。
たとえば、キッチンとリビング、パントリーがつながっていて回遊できる配置なら、料理運びも後片付けもスムーズですし、料理中、食材やキッチンアイテムなどをパントリーからすぐに出し入れすることができます。
子どもとともにお菓子づくりをよくするならアイランドキッチンが便利です。
料理も洗濯も効率的にこなしたい人には、キッチンの隣に洗濯室を設置することもできます。
家事動線を考えた間取り(見せる収納と隠す収納)は、ふだんどのように家事をこなしているか、また暮らしたいかを設計者に伝えることが重要です。
●ペットや子どもがいるなら…
そのほか、愛犬が自由に遊べるような中庭がほしい、庭からペットが自由に行き来できるペット用の出入り口がほしい、小さな子どもがいるので、子どもの様子がキッチンから見渡せるようにしたいなど、希望はそれぞれです。
あるいは、年配者がいるので、和室が1室はほしいといった要望もあるかもしれません。
まずは、要望をできるだけ具体的に伝えることです。
●意外と気づかない盲点とは
間取りは平面図で見るため、実際に住んでみてから不便さに気づいたということもよくあるものです。主なものを挙げてみると、
・子ども部屋を2階にしたら、子どもが走り回る音が階下に響いてうるさい
・コンセントが足りずに不便
・照明スイッチの位置が高すぎたり低すぎたり。あるいはドアを開けるとドアに隠れてしまう
・玄関からリビングが丸見えになってしまう
・浴室が通りに面しているので外の人が気になる
・吹き抜けにしたら冷暖房がききにくい
・寝室が道路に面しているので、夜、車の音が気になる
など、音に関するものや使い勝手の悪さを感じるものが多いようです。また、道路に面していたなど、間取り図だけではわからない周囲の環境に関することも盲点になります。
そこで、間取り図に配置する家電や家具を書き込んだり、隣の家の窓の位置などの情報を加えることで、できるだけリアルな空間を想像しやすいようにしてチェックすることが鍵になってきます。
間取りは一度決めてしまうと、なかなか変更できません。どうしても変更するとなると、その分追加の費用がかかってきます。
そういった事態にならないように、プランニングの段階で設計者とよく話し合い、アドバイスをもらいながら慎重に作成していきましょう。
次回は、経験者の失敗例に学ぶことがテーマです。
監修:すまいポート21埼玉
