家づくりあるある土地建物編 経験者たちに学ぶ意外な見落としとは プロローグ

プロローグ:住んでみて初めてわかることがある!

注文住宅、つくってみたら、こんなことがあった!という「家づくりあるある」。お金編に続き、土地建物編をお送りします。
土地建物編では、「いろいろ考えて、完璧なマイホームにしたつもりが、実際にそこに住んでみると、こんなことがネックだった」「住んでみて初めて、もっとこうすればよかったと思った」という家づくり経験者たちのエピソードを中心にご紹介します。
エピソードを見ると、「えっ、そこ?」というような意外なポイントが続々出てきます。
お金編に比べると、一つひとつは小さな事のように思えるのですが、案外、そうした部分が暮らしやすさや満足度に直結しているようです。

●音やニオイ、必要&不要オプションなど、住んでみてわかること!

注文住宅で難しいのは、建材や間取りなど、さまざまな選択肢があることです。その中から、予算やこだわり部分などを総合して決定していきます。
困るのは、それぞれ違う生活スタイルを持っているので、正解がないことです。とてもこだわったオシャレなデザインだったのに、掃除が大変だった、光熱費がかかりすぎる、素敵なリビングなのに家族が集まらないなど、想定外の出来事が!プロと一緒に十分に検討したはずなのになぜ?ということが起きます。
一方で、オシャレな家に住むことが最優先で、そのためには、掃除の大変さは気にならないという人にとっては、凝ったデザインの家は大満足の家になります。
同じ家でも、評価は人によって違うのです。
また経験者たちのエピソードで多いのが、せっかくだから奮発して高性能なものを取り付けたのに不要だった、逆に予算の関係でワンランク下の材質を選んだけれど、やはりここは高性能のものにしておけばよかったという意見です。
これじゃ、参考にならないよ!と言いたくもなりますよね。大事なのは、「あなたにとって、どっちが正解?」といった視点です。
ほかにも、駅チカで便利だと思ったら、夜中まで電車の音が響ていている、スーパーやショッピングセンターが近くて便利だと思ったら夜遅くまで人の出入りが多くて騒がしい、近くに何かの工房があってうるさいといった音トラブルに悩まされることも。
音以外でも、住んでみると、ニオイが気になるという声も意外と多かったです。近くの飲食店から、あるいは加工食品店、皮製品の工房などからのニオイや、工事現場が近くて建材や接着剤など特有のニオイが漂ってくるなど、下見での短時間なら気にならないけれど、一日中家にいると気になることもあります。
さらに、コンセントが少なくて生活するのに不便、コンセントの位置が高すぎた、または低すぎたといった不満やコンセントをもっとオシャレでカワイイものにすればよかったといった小さな後悔まであります。
結局、住んで生活してみないと気づかないことが実は多いものなのです。
こうなると、経験者の例を参考にしながら、自分の場合はどうかな?とシミュレーションするしかありません。

●無料の相談窓口の賢い利用法

本当の満足度は建てた家に住んでからわかる!と言いましたが、誰でもできるだけ「ああすればよかった」という後悔は少なくしたいですよね。そこで利用したいのが無料の相談窓口です。
一般に、無料の相談窓口では、プロから家づくりに関してのお金や間取り、工務店・ハウスメーカーの選び方や手順などを相談しますが、同時に過去の例からのアドバイスをもらうと参考になるはずです。
この時、なるべく自分の家族の状況やどんな生活をしているのかを具体的に話して意見を聞くのがコツです。
たとえば、「玄関のタッチレスキーって便利だとは思うけれど、予算オーバーも心配。つけるべきですか?」と相談しても、プロでもどちらとも言えません。
一方、「小さな子どもが2人いて、夫婦とも働いているので、買い物は週末にまとめて買うことが多いけれど、タッチレスキーにしたほうがいい?」と聞けば、たぶん予算の問題もあるけれど、小さな子どもがいると荷物も多くなりがちなので、タッチレスキーを採用して、その分、どこか別の部分を予算ダウンしたほうがいいと助言してくれるのではないでしょうか。
一つひとつのオプションについて質問するのが面倒なら、「パートナーが神経質なので、気をつけることありますか?」「リモートワークが多いので、どんなことに気をつけるといいでしょうか?」といった質問でも、いろいろなヒントをもらえるはずです。

監修:すまいポート21埼玉

家を建てる費用についてまとめ ~隠れ費用とお金の知識をしっかり把握しよう!~

注文住宅を建てる費用を考える時には、諸経費やオプション費用、新調する家具や家電の購入費など、土地と建築費用以外を頭に入れることが必要です。
また予算を考える時も、コストダウンするための工夫、コストダウンしてはいけない箇所、こだわりたい部分など、メリハリをつけた取捨選択が大切です。
なお、資金繰りは、住宅ローンやつなぎ融資の仕組みやメリット、デメリットを十分に理解したうえで利用しましょう。
そのほか住宅購入支援制度や補助金、税金の軽減措置などの情報を知っておくと、かなりお得になることがあります。完成後に申請をすることを忘れてしまっている方や申請期限が迫ってきて初めて知ったという方もいます。
担当者よっては目まぐるしく変化する補助金関係の最新情報を持ち合わせていない方もいますので注意が必要です。

まとめ1:諸経費は建築費用の1割が目安。

土地取得の仲介手数料やさまざまな税金に加え、司法書士・家屋調査士への登記費用の支払いが40万円~60万円、住宅ローンなどの手数料や保証料、火災・地震・団体信用保証保険料などのほか、注文住宅では地鎮祭や上棟式の費用も発生します。

●まとめ2:注文住宅の費用構成とローコスト住宅の秘密。

注文住宅は「本体工事+付帯工事+諸費用」で構成されます。本体工事はどのような家を建てたいかによって変動幅が大きくなります。
ローコスト住宅は統一した資材の使用などでコストを削減しています。オプション追加などで割高になる事もありますので注意が必要です。

まとめ3:コストダウンテクニックはいろいろある。

間取りの工夫により延べ床面積を狭くしたり、屋根や壁をシンプルな形にする、設備機器のグレードを下げる、部屋数を少なくするなど、さまざまなコストダウンテクニックがあります。注文住宅では、「ここにはこだわるが、あちらはコストダウンテクニックを使う」など、各所で取捨選択ができます。

まとめ4:コストダウンしてはいけない箇所もある。

せっかく注文住宅を建てるなら、耐震、耐火、耐久性、セキュリティなど、命に関わる部分は強度の高い構造にするのがおすすめ。また断熱材や換気システム、外壁などは高性能のものを使ったほうが省エネやメンテナンス費用軽減効果が期待できます。

●まとめ:メンテナンス費用として月1万円を積み立てよう。

30年後のメンテナンス費用は400万~500万円になるという試算も!それまでにも10年後には壁や屋根の補修、水回りの不具合などの簡単なメンテナンスが必要になり、20年後にはキッチンやお風呂などの設備機器が寿命を迎えます。メンテナンス費用として、できれば月1万円を積み立てましょう。

●まとめ:オプション費用は50万円が目安。

さまざまなオプションをつけられるのが注文住宅の醍醐味とも言えます。オプション費用に関しては、ほとんどかけなかったという人から何百万円もかかったという人もいますが、50万円ぐらいを目安にしましょう。

●まとめ:家具・家電の平均購入額は200万円!

注文住宅を建てた人ほど、家具や家電を新調する傾向にあり、購入額の平均は201万円にも!家具・家電の購入費用は住宅ローンの対象にはならないため、あらかじめ予算組みしておくか、計画的に購入するなどの工夫が必要です。

●まとめ:さまざまな住宅購入支援制度をチェックしよう。

不動産を取得した時にかかる不動産取得税の軽減措置(令和6年3月31日まで)や10年間(令和4年12月31日までに新居に居住した人は13年間)も適用される住宅ローン減税など、利用できる支援制度があります。また自治体独自の補助金もあるので、必ずチェックを!ただし、こうした制度は期間や内容がよく変わるので、最新の情報を入手しましょう。

● まとめ:つなぎ融資や繰り上げ返済の仕組みを知っておこう。

注文住宅を建てる人にとって住宅ローンのデメリットは、家が完成するまで融資が実行されないことです。実際には、建築前や建築途中で支払わなければならないお金がたくさんあります。そこで知っておきたいのが、住宅ローンの融資実行までの間の「つなぎ融資」です。また、住宅ローンによっては、家が完成する前でも一部の融資を実行してくれる「分割融資」もあります。
住宅ローンの総返済額を減らすことに効果的な「繰り上げ返済」の仕組みを知っておきましょう。

●まとめ10:お金の知識をしっかり身につけよう!

夢のマイホームに心が躍りますが、お金の知識をしっかり身につけておかないと、予算オーバーや月々の予算に苦労したり、急な資金繰りが必要になったりします。また支援制度や補助金は申請しないと支給されませんから、知っているのと知らないのとでは大きな差になります。
相談所のファイナンシャルアドバイザーなどがアドバイスしてくれますが、自身でも学んでおきたいものです。

監修:すまいポート21埼玉

家を建てる費用について8 ~住宅ローンとつなぎ融資 もっと知りたい!住宅ローンの実態とは?~

国土交通省の令和2年度「住宅市場動向調査報告書」によると、注文住宅を新築した人の76.1%が住宅ローンを利用しているという結果でした。
住宅ローンについての基本的な知識は別記事でも紹介しているので、今回は頭金やつなぎ融資、もう少し住宅ローンを深堀りしたものを集めてみました。

頭金の目安とメリットは?

最近では頭金なしでも住宅ローンをくめますが、一般に頭金の目安は、総費用の2割程度と言われています。
頭金があるメリットは、住宅ローンの融資額を減らせるので、結果として総返済額も減らすことができるほか、金利を低くできる可能性があります。たとえば、住宅金融支援機構の「フラット35」では、融資額が物件価格の90%以下ならば、低い金利が適用されます。
また、頭金を用意していることが評価され、住宅ローンの審査に通りやすくなるとも言われています。

●住宅ローンは何歳まで借りられる?

住宅ローンの要件は各行によって違いますが、多くの銀行では住宅ローンが借りられる上限年齢を70歳くらいまでに設定しているところが多いようです。意外に条件が緩やかだなと思いましたか?ただし、完済年齢の上限はだいたい80歳になっているので、仮に70歳で借りられても10年以内に完済しなければなりませんし、そもそも年収チェックなどがありますから、誰でも審査に通るわけではありません。

●住宅ローンの完済年齢は60歳代

前出の「住宅市場動向調査報告書」によると、注文住宅を建てた人の住宅ローンの返済期間の平均は32.4年でした。
初めてマイホームを建てる最多の年代は30代なので、そこから32,4年のローンを組むとなると、完済年齢は60歳代ということになります。30台後半で家を建てると、定年後もまだ返済が残っていることになります。退職金で一括返済してしまうという人もいますが、ぜひ知っておきたいのは「繰り上げ返済」のことです。

●繰り上げ返済の仕組みとメリット

繰り上げ返済とは、毎月返済している額とは別に、まとまった額を返済することです。繰り上げ返済のお金はすべて元本に充てられるので、その分の利息が減り、総返済額を減らせます。
繰り上げ返済すると、2つのプランが選べます。「期間短縮型」と「返済額軽減型」です。期間短縮型とは、毎月の返済額はそのままで、繰り上げ返済した分だけ返済期間を短縮するプランです。退職までに住宅ローンを完済したいという人におすすめです。返済額軽減型は、繰り上げ返済することで、返済期間はそのままにして、毎月の返済額を少なくするプランです。
繰り上げ返済するメリットをより高めたいなら、繰り上げ返済額は大きいほど、繰り上げ返済する時期は早いほど、返済額軽減型よりも期間短縮型にするほど効果的です。
なお、繰り上げ返済に関しては、1回の最低返済額が決められていたり、手数料(無料~数万円)が必要など、各行によって要件が違います。

●つなぎ融資とは?

住宅ローンの審査が通っていても、融資が実行されるのは家が完成して引き渡される時です。しかし注文住宅の場合、家の完成前に現金で支払わなければならないことが多々あります。すべての支出を手持ちの現金でまかなえればいいのですが、それは難しいもの。そんな時に頼りになるのがつなぎ融資です。
つなぎ融資の場合、住宅ローンのように返済期間を決めて毎月返済するのではなく、住宅ローンの融資が実行された時、まとめて返済します。そのためつなぎ融資は単独では申し込めず、住宅ローンとセットでの申し込みになります。
なお、つなぎ融資とは別に住宅ローンの「分割融資」というものもあります。これは、住宅ローンの融資をまとめて一度に実行するのではなく複数回に分けて受け取れるもので、住宅完成前でも融資をしてもらえます。ただし、無担保のつなぎ融資とは違い、分割融資の場合、土地や住宅が担保として設定されます。

●つなぎ融資のデメリット

注文住宅を建てる者にとって便利なつなぎ融資ですが、デメリットもあります。住宅ローンの融資が実行された時点で一括返済しますが、それまでの間、利息は支払わなくてはなりません。注文住宅が完成するまでには意外と時間がかかるので、その分の負担が大きくなります。
すべての金融機関でつなぎ融資を設けているわけではないので、金融機関の選択肢が少なくなる可能性があります。
また、つなぎ融資は住宅ローンとセットで申し込みますが、形態としては2つのローンを組むことになるので、それぞれに諸費用がかかります。そのうえ同じ住宅にかかる資金のためのローンでも、つなぎ融資には、住宅ローン減税のような軽減措置はありません。
実際に利用する場合は、きちんと仕組みを理解したうえで利用するようにしましょう。

監修:すまいポート21埼玉

家を建てる費用について7 ~住宅購入支援制度 知っているとお得な支援&減税制度とは?~

注文住宅を建てる際には思わぬ費用が続々と出てくるので悩ましいものですが、一方で、新築すると支援金がもらえたり、税金が安くなったりする制度があります。これらの制度を利用する際の条件や支援は受けられる期間が限られていたり、申請時期によって内容が変更されていたりするので、ほんのちょっとの差で大きく損してしまうことも!あるいは、対象者であることを知らずに申請しなければ、そもそも利用することもできません。
詳しくは建築会社の担当者や相談センターのファイナンシャルプランナーに聞いてみてください。
純粋な予算の知識ではありませんが、知っておくことで、資金計画に余裕が生まれるかもしれません。

自治体独自の支援制度

どこに家を建てるかによって違ってきますが、自治体独自で住宅購入支援を行っているところもあります。
たとえば、埼玉県熊谷市では「熊谷市スマートハウス補助金」として「創エネ」「省エネ」「蓄エネ」「エネルギーの見える化」設備を導入した家を建てると費用の一部を補助。上限金額は商品券+現金で50万円になっています。また「三世代ふれあい家族住宅取得等応援事業」では対象費用の1%(上限25万円の商品券)が補助されます。
埼玉県の飯能市では「西川材使用住宅等補助金」として、西川材を使用して住宅を建てたり木塀を設置したりすると補助金(上限50万円)が出ます。

●こどもみらい住宅支援事業

令和3年の補正予算で実施される補助金に「子どもみらい住宅支援事業」があります。
これは、子育て支援と2050年のカーボンニュートラル実現を目的としたもので、子育て世帯や若者夫婦が高い省エネ住宅を取得したり、リフォームする場合に適用されます。
新築住宅の場合、省エネ機能に応じて60万円から100万円が補助されます。
対象となるのは、令和3年11月26日~遅くとも令和4年10月31日までに契約した人です。
また「子育て世帯」とは、平成15年4月2日以降に生まれた子どもがいる世帯、「若者夫婦世帯」とは、夫婦どちらかが昭和56年4月2日以降の生まれの世帯です。
申請は登録事業者が行いますが、予算額542億円に達したら終了になります。

●不動産取得税の軽減措置

不動産を取得した時にかかる税を不動産取得税といい、住宅・土地については固定資産税評価額の3%かかりますが、令和6年3月31日まで軽減措置が適用されます。
なお、固定資産税評価額は実際の売買価格ではなく固定資産台帳に記載されている価格のことです。
・土地取得税はどれだけ安くなる?
 軽減額の計算は2通りあり、どちらか大きいほうが適用されます。1つは45,000円(税額がこれより小さい場合はその額)。もう1つは、土地の1㎡の価格×住宅の床面積の2倍(上限200㎡)×3%で算出します。
・住宅取得税はどれだけ安くなる?
軽減措置では、固定資産税評価額から1,200万円を控除して計算します。つまり、最大で1,200万円にかかる取得税(3%)分の36万円が安くなります。

●住宅ローン減税

10年以上の住宅ローンをくんでマイホーム(令和5年までは床面積40㎡以上、令和6~7年は床面積50㎡以上)を取得した人が受けられる減税制度が住宅ローン減税です。ポイントは、まず算出した所得税から、直接住宅ローン減税額を引くため、会社員では年末調整としてダイレクトに戻ってくる点です。また、所得税額よりも住宅ローン減税額のほうが多い場合、その差額は住民税から引いてもらえます。
住宅ローン減税額の算出は、住宅ローンの年末残高×0.7%です。たとえば、住宅ローンの残高が2,000万円なら住宅ローン減税額は14万円になります。ただし、対象となる借入限度額は住宅の環境性能等によって変わります。
この減税措置が原則13年間(令和6年以降入居の場合は10年)続きます。

●支援制度はその時々で変化する

冒頭でも触れましたが、住宅購入支援制度や補助金の内容は、その時々で要件が変わったり補助金の上限が決まったりします。たとえば、家庭用蓄電システムの導入を推進するとして最大60万円の補助制度がありましたが、2020年11月で予算額に達したために終了しています。あるいは、消費税引き上げの影響を緩和するために、住宅購入者の収入に応じて現金を給付する「すまい給付金」(上限50万円)は令和3年9月30日までに契約をすませた人が対象でした。このように、タイミングを逃すと、せっかく要件に当てはまっても利用できないことになります。
一方、次々と新たな支援制度や補助金が出てくる可能性もあります。要は、どんな制度があるのか、自分が建てたい家で条件を満たせるものは何かをしっかり把握し、利用できるものは積極的に利用することがポイントです。

監修:すまいポート21埼玉

家を建てる費用について6 ~家具・家電類、どこまで新調する?~

憧れの注文住宅─真新しい素敵な新築の家には、ハイセンスな家具と高機能な家電を揃えたいところですが、あなたの予算はどうですか?

家具や家電などの平均購入額は201万円!

注文住宅を建てた場合、家具や家電を新調するのに、どのくらいの費用をかけているのでしょうか?
住宅支援機構の2014年度「住宅取得に係る消費実態調査」における一戸建て(新築)1世帯当たりの耐久消費財購入額はナント201万円とのこと。
予想、当たりましたか?思ったよりも費用がかかるなと感じた人も多いのではないでしょうか。
耐久消費財とは家具や家電、カーテンや絨毯などで、購入額に関しては、だいたい新築から1年以内に買ったものの合計額になっています。
同じ新築でも建売住宅では105.1万円、マンションでは85.9万円となっており、注文住宅を建てた人は家具や家電などにも、それなりのお金をかけていることがわかります。

●購入1位はカーテン、2位は照明器具

58.2%と調査対象者の約6割が購入していた商品がカーテンです。続いて55.3%と過半数以上が購入していたのが照明器具でした。新築の場合、以前の家のものではサイズが合わなかったり、以前とはまったく違った雰囲気になったりするため、カーテンや照明器具を新調したのだとみられます。
3位はルームエアコン。37.2%と約4割が購入。4位は34.3%でカーペット・絨毯。5位は31.3%でベッド・ソファーベッドの順でした。
これらTOP5の商品に関しては、3割以上の人が新調しています。新調すべきものを決める時の優先順位の参考になるはずです。
そのほか応接セット、ダイニングセット、冷蔵庫、温水洗浄便座などが挙げられています。

●家具・家電の購入リストをつくろう!

家具・家電の購入費用を抑えたいなら、カーテンなど明らかにサイズが違うものや、持っている照明器具だけでは数が足りないので買い足さなくてはいけないといった最低限必要なものだけを新調し、いずれ資金に余裕ができたら、そのつど少しずつ変えていくというのが賢い方法です。
そこまでの徹底的な節約は必要ないが、予算が限られているという人は、欲しい家具や家電のリストを事前につくり、優先順位をつけて取捨選択しましょう。
予算内に収めるため各商品のグレードを落とす、あるいは、どうしてもこだわりたいものだけは上位機種を買い1点豪華主義にするなど、選択の方法はさまざまです。
また気をつけたいのが、商品の性質上、引っ越す前に揃えたほうがいいものと引っ越してからゆっくり家の雰囲気に合わせて探したほうがいいものに分かれることです。
たとえば、冷蔵庫などは事前に購入しておかないと、引っ越し後の生活に支障をきたします。一方、ソファなら、ないのは不便ですが、なくてもしばらく生活することは可能です。特に家具類は、その部屋のデザインや色調、テイストにマッチしていないと新調する意味がありません。店頭で確認しても、実際の家の中とではイメージが違うこともあるので、引っ越し後、ほかの家具や家電を配置してから検討してみてもいいかもしれません。

●お目当ての家具や家電をお得に買う

家具や家電購入費用を抑えたいなら、アウトレットの活用や大型家電店でのまとめ買い、ネットショッピングなどを利用する方法もあります。
アウトレットで仕入れたキズあり家具でも、DIYで色塗りしたり手を加えることで、オリジナリティーのある家具に仕上げられます。
大型家電店ではまとめ買いすると値引きしてくれることも多いので、新築住宅を建てたのを機に思い切ってたくさんの家電を新調するのも手です。
最近ではネットショップならではのユニークでおしゃれな家具を見かけます。あなたのイメージに合った家具があるかもしれません。ただし、大型商品は送料がかかるので、購入する際は事前にチェックしておきましょう。

●家具や家電の購入費用は住宅ローンでは借りられない

新築の家に係る費用はすべて住宅ローンで調達できそうな気がしますが、住宅ローンはあくまで家の建設を目的とした融資のため、家具や家電の購入費用を含めて借りることはできません。
手元に現金がなくてもクレジットカードや分割払いを利用できますが、住宅ローンの返済も始まるので慎重な計画が必要です。
あるいは、現在は低金利時代なので、住宅ローンに入れるべき頭金を家具や家電の購入費用に充てる人もいるそうです。もちろん住宅ローンで借りる金額は少ないにこしたことはありませんが、限られた資金をどのように有効活用するのがいいか、相談センターなどのお金の専門家「ファイナンシャルプランナー」に尋ねてみることをおすすめします。

監修:すまいポート21埼玉