工務店④:工務店に依頼する時の注意点

注文住宅を工務店に依頼した場合、どのようなリスクがあり、どんなことに気をつければよいのでしょうか。

●品質レベルにバラツキがある場合も…

工務店は地元に密着しており、工事が業務の中心なので技術力が“売り”と紹介しましたが、すべての工務店がトータルに高い技術力を誇っているのかというと、そうとは言えません。

工事の質は、実際には大工さんや左官屋さんなど、現場で働いている職人さんの腕によって左右されることがあります。工務店の社員として大工さんがいる場合もありますが、多くの工務店では、協力してくれる大工さんや左官屋さんを集めて工事を行います。

そのため、どんな職人さんと一緒に仕事をしているかによって工事の出来が決まってきます。

また、いつもは長年一緒に仕事をしている職人さんに作業してもらっているが、たまたまその期間だけ手が空いていなかったので別の職人さんを招集したというケースもあります。そうなると、いつもは高い技術力を誇っている工務店でも、たまたまいつものレベルまでいかなかったという可能性もゼロではありません。

もっとも、これはあくまでリスク管理としてのシミュレーションです。信用を何より重んじる工務店ですから、品質の管理には最大限の努力をしています。

ちなみに、ハウスメーカーに依頼した場合でも、現場で施工するのは地元の工務店がほとんどと説明しましたが、それでもハウスメーカーの住宅のほうが工務店の住宅よりも品質が安定しているのは、建築資材の一括管理や工法がシステム化されているからです。

●工期が長いので、余裕を持った計画を

注文住宅は建売住宅に比べれば、できあがるまでの期間は長くなります。だいたい1年くらいを目安にと説明しましたが、同じ注文住宅でも、ハウスメーカーに依頼した場合と工務店に依頼した場合を比較すると、工務店のほうが工期が長くなります。

工務店はオーダーメイド型、ハウスメーカーは基本設計のうえにカスタマイズするタイプといった違いのほか、施工期間だけ比べてみても、スピードではシステム化された工法を採用しているハウスメーカーが勝ります。

そのため工務店に依頼すると、引き渡しまでに1年より長くかかることも。余裕を持った計画を立てておきましょう。

●倒産するリスクあり

まさか!とは思いますが、規模の小さな工務店の場合、施工中に倒産してしまうというリスクがあります。安定度で考えると、規模の大きなハウスメーカーのほうが安心です。

ただし、工務店が倒産したことで工事が中断。完成させるために別の工務店に再依頼した場合の追加費用や、倒産した工務店に払い済みの前金を保証してくれる「住宅完成制度」というものがあります。

これは工務店が万一の場合に備えて、顧客に迷惑をかけないように加入するものです。依頼する工務店が住宅完成制度に加入していれば安心材料になります。

●小回りのきくアフターフォローを期待したが…

工務店の特徴として、地元にあるので、こまめなアフターフォローを期待できると説明しました。すぐに連絡がついて駆け付けてくれるのがメリットですが、社員全員が多忙すぎて、すぐには駆け付けられず、かなり待たされたというケースもあるようです。

むしろハウスメーカーのほうが24時間365日対応の体制になっていたということも…。

工務店の対応力については千差万別なので、どんな対応をしているかは事前にチェックしておきましょう。

●融資や土地探しは相談できない!?

工務店は施工が主な仕事なので、なかには住宅ローンの相談や土地探し、設計に関しては関与しない会社もあります。一方、こうした相談にも親身になって担当してくれる工務店もあります。要は、同じ工務店でも対応はさまざまなので、どこまで相談に乗ってくれるのかは事前に確認しておいたほうがいいでしょう。

●多少の知識は必要かも…

工務店は自由度が高く、一から好みの住宅を建てられるのがメリットですが、反面、ハウスメーカーのように基本形があるわけではないので、どんな家にしたいのか、希望をはっきり伝えないと設計が決まらない可能性があります。

単に「和モダン」「木の家」「ヨーロッパ風のデザイン」というだけでなく、具体的にどこをどうしたいのかといった希望が伝えられるように情報収集したり建築のことを少しは勉強する必要があるかもしれません。

次は、ハウスメーカーの特徴についてご紹介します。

監修:すまいポート21埼玉

投稿者: ラクティブ管理者

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