工務店とは?ハウスメーカーの違いや選ぶときのポイントは?
プロローグ:注文住宅の魅力
「やっぱり自分のお城が欲しい」─そんな方のための耳より情報をご紹介します。
第1回は、持ち家派と賃貸派の比較、建売住宅と注文住宅の違いを取り上げます。
●6割超は持ち家に住んでいる
多様な生き方が尊重される時代。ブランドバッグや車、高級服などは必要な時にだけ借りれば十分と考えている方も多いかもしれません。
その対象は家にまで及び、「持ち家派か?賃貸派か?」というテーマの記事を多く見かけます。いろいろな意見があり、どちらがお得か、あるいは、どちらが暮らしやすいかといった決定的な結論は出ていないようです。
しかし、2018年の住宅・土地統計調査によると、持ち家の人が61%でした。これはあくまで住んでいる家が持ち家の人というデータですから、持ち家がいいけれど、まだ家の購入が実現していないという人も含めると、やっぱり家だけは自分だけのものが欲しいと思っている人が多いことがわかります。
●持ち家のメリットは?
持ち家と賃貸、それぞれにメリット・デメリットがあるのはご存じの通りです。ここでは、持ち家のメリットを考えてみます。
「持ち家だと住宅ローンがあるし、古くなると修理もしなければならない。その点、賃貸は家賃さえ払えばいいからラク」という意見があります。
でも、ちょっと待ってください。
家賃の価格には、家主さんの利益分のほか、前の借主が引っ越してからすぐに次の借主が見つからなかった時のリスク分や当然ながら修繕費分などが含まれています。
つまり、見かけ上は、賃貸は修理費を払わなくてよい形ですが、実際にはちゃんと修理費分を払っているのです。しかも、他人(家主さん)の利益分など、持ち家だったら払わなくてよい分まで負担しています。
こうなると、経済面では、やっぱり持ち家のほうがお得だと言えます。
●建売住宅と注文住宅の違いとは
一戸建ての家を購入する場合、大きく分けると2つの住宅があります。建売住宅と注文住宅です。
建売住宅とは、土地と建物がセットで売り出されているもの。建物の間取りなどの設計は事前に決まっています。オプションで変更可能な箇所はありますが、設計そのものを大幅に変えることはできません。
注文住宅とは、設計の段階から依頼して建てる住宅です。土地はすでにっ持っているのでそこに家を建てたい、土地の購入はまだだが、好みの間取りやデザインにしたいという人に向いています。
また、建売住宅の場合、二世代住宅仕様のものがほとんどないため、二世帯住宅、三世帯住宅は、注文住宅になることが多いようです。
注文住宅は建売住宅よりも価格は高くなりますが、予算に合わせて徹底的にシンプルなデザインにする、リーズナブルな材料を使用するなどの工夫により、価格を抑えることも可能です。
●注文住宅を建てるなら…
一生に一度の大きな買い物だから、少々無理をしてもやっぱり注文住宅にしたい!
そうお思いの方も多いはず。予算的に建売住宅よりも高くなることは承知でしょうが、意外な盲点があります。引き渡しまでの期間です。
建売住宅の場合、すでに家が建築されていたり、着工はこれからだとしても数か月で引き渡しになるケースが多いのですが、注文住宅はそうはいきません。
実際にどれくらいの時間がかかるか、ご存じですか?
早くても9か月、一般的には1年ぐらいはかかります。
設計者に、どんな家を建てたいかといった打ち合わせをしてからプラン案を出してもらい、さらに細かいところを詰めていかなくてはならないからです。
また間取りやデザインなど、こちらの希望が上手く伝わっていない案なら修正してもらわなければなりません。
この時、希望通りの家にすると予算オーバーといった問題が起こるかもしれません。そうなると、予算と希望のバランスをとるための相談が必要になります。
このように、だいたいプラン作成に2~3か月はかかります。
その後、契約や最終的な打ち合わせに3~4か月、着工してから竣工までが概ね4~6か月になります。
どんな家がよいかを設計者に伝える前に、いろいろなカタログや雑誌などで情報収集するでしょうから、そうした時間も含めると、かなりの時間を割かなくてはなりません。
もっとも「モダンなデザインがいいな」「温かみのある木の家にしたい」「家族全員が集まれる大きなリビングが欲しい」など、あれこれ考えるのが楽しいとも言えます。
家族で話し合う時間が増えて絆が強まるといった効果もあるかもしれません。
次回は、工務店についてです。
監修:すまいポート21埼玉