家を建てる費用について3 ~コストダウンしてはいけない箇所 メリハリのきいた上手な建築資金の使い方とは?~

注文住宅を建てる際、つい予算オーバーしてしまうことはよくあります。少々の予算オーバーでも希望の家を建てるというのも一つの方法ですが、コストダウンできるところはないかを検討することも大切です。ただし、目先のコストダウンにばかり捉われて実行した結果、理想とほど遠い家になったのでは元も子もありません。
そこで今回は、「この部分は、コストダウンしてはいけない!」箇所をまとめてみました。

耐震性、耐火性のレベルは下げない

建築基準法により耐震性、耐火性、断熱性の基準は決められており、どんなにコストダウンを目指す場合でもその基準以下のレベルになることはありませんが、せっかく注文住宅を建てるのなら、より安全で強固な家をつくりたいものです。
たとえば埼玉などの関東地域は地震の多い地域なので、耐震性は重要なポイントです。また、耐火性に関しても、いつどこからもらい火してしまうかわかりません。命にかかわる部分ですから、絶対にコストダウンをしてはいけません。
断熱性においても今の家は暖かいだろうと言う方も多いですが現在の建築基準法に沿った断熱性能でも冬場の足回りは冷えます。(筆者体験談)人によって体感温度は異なりますので一概に言えませんが自分は寒がりだという方はこだわりを持った方がいいかもしれません。
さらに、耐震性についてコストダウンしてはいけない理由がもう一つあります。家全体の構造に関わることなので、建築後に気が変わり、追加工事をしようとすると大がかりなものになり費用が高くなるからです。

●断熱性能は意外と重要

どんな住宅でも断熱材を使用しますが、一口に断熱材といっても価格により性能の違いがあります。安い断熱材を使ってしまうと、外気の影響が大きくなり、夏涼しく、冬暖かいという断熱材の役目をあまり果たせないことにもなりかねません。高性能の断熱材はそれなりの価格になりますが、長い目で見れば、空調設備の電気代節約にも役立ちます。また、室内外の温度差による結露やカビが発生することで、家の劣化スピードを早めてしまう可能性も!これは、窓の性能に関しても同様です。基本壁の中に入れる断熱材もそうですが熱損失が一番起こるのは窓です。断熱を考えるうえで窓枠のサッシとガラスの性能レベルを上げるのは必須と言えます。
結論として、断熱性能もコストダウンしてはいけないものです。

●換気システムは高性能なものに

高性能の換気システムを設置しておけば、暖房や冷房といった温度管理に関して、最小限のパワーでエアコンの効果を最大限に使え、節電効果が期待できます。

●屋根や外壁は耐久性のあるものを

屋根や外壁は、雨や風、日光などに毎日さらされされるため、耐久性のあるものを選びましょう。安易に安価なものを選ぶと、すぐに劣化してしまい、早期のメンテナンスが必要になったり、取り替えなければならなくなったりして、かえってコスパが悪くなる可能性があります。

●床材や壁材は厳選する

部屋の中は素足という人はもちろん、スリッパを履いている人でも、床材を始終踏みしめているわけですから、床材はよく接触する建材です。よく接触する建材は、コストダウン優先ではなく質のよいものを選んだほうが、毎日を快適に暮らせます。また床材は目に触れやすいので、オシャレ度をアピールする点でも、じっくりと厳選したいものです。
壁材は、特に化学物質が苦手な人は要注意です。自然素材は価格が高くなりますが、健康面を考えると、コストダウンしてはいけない建材です。せっかくのマイホームなのに、アレルギーが出て家にいるのがツライのでは、家を建てる意味がありません。

●セキュリティーは妥協しない

セキュリティーも耐震・耐火と同様に、命を守る大切な箇所なので、妥協しないようにしましょう。

●コストダウンできない箇所は人それぞれ

コストダウンしてはいけない箇所の中には、自分なりの優先度の高さも含まれます。たとえば、料理や人との会話が好きでホームパーティーを開きたい人にとってはキッチンが一番のこだわりポイントになります。心とからだを癒やすために毎日のバスタイムが楽しみという人にとっては、少々予算オーバーになったとしても、お風呂だけは希望通りにしたいはずです。

●予算オーバーしたら、建築会社に相談

予算オーバーになったら、まずは建築会社の担当者に相談を。プロの目から見て、コストダウンしてはいけない箇所、コストダウンしないほうがよい場所、むしろコストダウンすべき場所をアドバイスしてもらいましょう。紹介したポイント以外にも、実際にはまだまだいろいろな工夫ができるはずです。

監修:すまいポート21埼玉